研修活用インタビュー

あいの風とやま鉄道株式会社様

[企業概要と研修の状況]
あいの風とやま鉄道株式会社は北陸新幹線の開業と同時に並行在来線として立ち上がった第三セクター方式の鉄道会社です。
社員はJRからの出向者、プロパー(正規)社員などで構成され400人強。現場では約7割がプロパー社員となり、今後増えるプロパー社員への人材育成に力を入れています。
弊社の内定者研修、サービス研修、節目研修、指導者研修、覆面調査、サービス競技会など様々な研修や行事を人材育成にご活用くださっています。

[お話しいただいた方]
あいの風とやま鉄道株式会社 運輸部担当部長兼営業課長 藤井敏明様

 

―今回は、取材をお受けいただきありがとうございます。
御社の研修や人材育成についてのお考えを色々お聞かせくだされば嬉しいです。
まず、御社の人材育成に対する基本的なお考えについてお聞かせください。

藤井さま(以下、藤):会社を支える現場社員の育成はとても大事だと考えています。その原点は3月に行う入社前の内定者研修でしょう。社会人になる前からの意識づけは大切ですよね。
設立後2年間のプロパー社員はJRに出向して基礎教育を受けていましたが、3年目の社員からはよしともコミュニケーションズさんに内定者研修を依頼しています。
最初はサービス研修として約70名が3日間で研修を受けて、それ以降は毎年研修をお願いしていますので、昨年までにのべ200名以上社員の半数がお世話になっていることになりますね。

―たくさんの方に受講していただきありがとうございます!
当時、サービス面を強化していこうというお考えや、何かお悩みなどあったのでしょうか?

藤:JRで基礎教育を受けて戻ってきた社員はいたのですが、JRは今まで長い年月をかけて積み上げてきたものがあり、マニュアルも整備されています。しかし、当社は0からのスタートです。JRから引き継いだものも含めて、学んだものをどう積み上げていくかが課題でした。
またJRは先輩や指導者など幅広い人材がいます。サービス指導専属の人材もいますが、当社にはそのような人材はいません。社内で行うには労力もノウハウもありません。
そこで社外の先生の力を借りたらよいのではないかと考え、お願いすることにしました。

―弊社には様々な研修をご依頼くださっていますが、どのようなお考えからでしょうか。

藤:まず、人材育成は継続していかなければならないと思っています。手を抜くと せっかく教えたものが無駄になります。どんな社員でも課題を与えることで、始めて成長が見えます。
ただ、成長というのは同じ人に全体を通して見てもらわないとどのように成長したのか比較できません。よしともコミュニケーションズさんとはお互いに知恵を出し合い、工夫しながらカリキュラムを作ってもらっています。
また、成長というのはいきなり0が100になるわけではありません。少しずつでも成長が見える形にしてやれば、若い人にとってもやる気につながると思います。
弊社は開業してまだ5年です。土台がしっかりしていなければ会社としての伸びは望めません。研修では若い受講者と一緒に現場長にも参加してもらっていますが、これもみんなで育てて行こうという思いからですね。

―短期的な結果を求めるのではなく、長期的大局的視点に立ち、また人間の成長の難しさと大切さをご理解くださっていてとても嬉しいです。
藤井様は富山駅長をお務めの後、現職でいらっしゃいますが、ほかの研修会社を利用されようとは思われませんでしたでしょうか。

藤:吉友先生の講義を研修生として聞いていますが、毎回パワーをもらっています。
そのみなぎるパワーをみんなにも分け与えたいと思いますね。
先生の話の中にはよく事例が出てきますよね。講義はあれこれしなさいという内容が多いんですが、こんな事例がありました、といい話も悪い話も出てきてなるほどなーといつも思います。
知識やスキルを教えることは必要ですが、合間に織り交ぜられる事例や感動話が結局記憶に残り、こんなことが大事なんだな、と行動や気づきにつながると思います。
私も管理者として考えさせられますし、いつもヒントを与えてもらっています。

―ありがとうございます。開業5年目で人材育成の手応え、また研修をどのように活かしているのか教えてください。

藤:弊社の社員は1~8期生までいて、大きく3層に分かれます。
1,2期生は様々な研修を受講してきたので自分たちが会社をひっぱっていかないと、という自覚が芽生えてきたように感じます。働きやすいような環境作り、現場への声かけ、指導能力が高まりました。自分たちの背中を見せる姿勢も出てきています。
3~5期生は現場が多いですが、現場の中で指導にあたってくれています。今後JR社員もいなくなりますからプロパー社員がプロパー社員を育成する仕組みを作りたいです。
6~8期生の約7割は駅にいますが6期生も十分指導ができるようになってきています。マニュアルも各駅で作成し、引き継いだ人がそれを改善し、次の人に渡していくことで生きた教材ができています。ただマニュアルは知識面が多いため、笑顔や声かけといったサービスは体得しないといけませんから、そこは研修で徹底的に訓練していきたいですね。

―弊社の研修は現場を利用することもありますが…

藤:そうなんですよ!サービス研修の中で、駅員が駅で整列した時は「何が始まった?!」と驚かれましたね(笑)先生方には制服まで着てもらいましたし。座学だけではない研修がとても気に入っています。

―ありがとうございます!今後、弊社の研修をどのように生かしていこうとお考えでしょうか。

藤:その時々に不足しているものは何か、何を与えたらより成長できるのかということを一緒になって考えていきたいと思っています。

―一緒に作り、一緒に継続したいとお考えくださって大変ありがたいです。
御社の各研修のご担当者様は非常にご熱心で、打ち合わせの機会もよく下さいますし、会社の実情や情報を色々提供していただけるので、弊社が勧めているコンサルティング研修が非常に有効に機能しているように感じています。

藤:こちらこそ助かっています。私共の意見や要望は何でも取り入れて頂けるし、一緒に進めているのが目に見えてわかります。フォローもしてくれるし、会社としてもアドバイスをいただけます。双方の力で両輪となって進められているのがいいですね!
そういえば、あの覆面調査は社員が誰も気づかないのですが、どうやっておられるのですか?かつらでもかぶって変装しているとか?(笑)

―かつらはかぶっていませんよ(笑)
社員の方々に気づかれていないのでしたら安心しました!
サービス競技会(1年に1度社内で開催している接客スキルを確かめるコンテスト)などの行事にも取り組んでくださっていますね。

藤:そうなんです。競争を促すようなイベント的な要素は必要だと思います。どう自分のスキルをアピールするかは社員の励みになるし、他の駅は何をしているのか普段は見えませんから、コンテストは有効に活用しています。
あの広い会場を見るだけでもみなさん緊張していますが、日頃の鍛錬の技術をお披露目する場を提供することはやりがいにつながりますから、今後も続けていきたいです。

―今後、希望される研修などはございますか?

藤:個人的にはオンライン研修はどうかと思っています。サービス研修では大人数で行うのが難しいということでしたら個別指導や現場研修がいいと思います。日数はかかりますが現場で集中的に行った方が効果は出るでしょう。
覆面調査も継続して、結果をフィードバックして指導するとよいと思います。
人材育成はやはり継続が必要です。手を緩めて、もし1,2下がっても、元に戻すときは5,6の力が必要です。今まで蓄積したもの大切に、人材育成は今後も続けていきたいと思います。

―ぜひ今後もお手伝いさせてください! 本日はありがとうございました。

 

 

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