コラム

一方的に暴言を言われた時の受け流し方

今回はメンタルヘルスセルフケア研修後に寄せられたご質問です。

Q 一方的な相手からの暴言を言われた場合、どのように受け流せばよいでしょうか?

A 「一方的な相手」を「上司」や「お客さま」だと想定すると、なかなか言い返せませんよね。
暴言内容そのものに対する反論をしても相手によってはさらに追い打ちをかけられ深手を負うことになりかねません。
できればうまく受け流したいものです。
そこで重要になるのが「情動焦点型コーピング」です。

「情動焦点型コーピング」はストレッサーそのものに直接働きかけることによってストレスを減らす「問題焦点型コーピング」とは異なり、ストレッサーそのものではなく、それに対する自分の考え方や受け止め方を変えることでストレスを軽減する対処法です。

受け流すためには色々な考え方がありますがお勧めなのは「相手の立場に立つ」ということです。

相手は自分の言葉が「暴言」だと認識していないことがほとんどです。
「言って当然」「私は正しいことを言っている」と思っていることでしょう。

ただ、その言葉によって相手が嫌な感情を抱いている(ストレスを感じている)ことは想像できている可能性は大きいです。(気づけない人もいると思いますが…)

それでも言いたい(暴言を吐きたい)その人の「事情」とは何でしょう??

・〇〇に困っているから無茶を言っているのかもしれない
・自分に自信がなくて不安なのかもしれない
・〇〇でストレスが溜まっているのかもしれない
・相手を傷つけて自己満足を得たいのかもしれない…

このように相手の状況を相手の立場に立って考えます。
相手を卑下したり憐れむ必要はありませんが、相手は相手の事情で行動しているのです。
自分はたまたまそれに巻き込まれただけです。
不運ではありましたが、相手の事情まで背負う必要はないのです。

(あ~この人は〇〇と言うしか方法がなかったんだな~。)
などと少し客観的に状況を眺められれば、怒りの感情や自己嫌悪に陥ることもありません。
何より、自分のメンタルヘルスを大きく脅かさないで済むでしょう。

 

―弊社のメンタルヘルス研修、ハラスメント研修、接遇研修の中では相手(上司、部下、お客さま)の心理を考えていただくというワークをよく行っています。

相手の心理を知ることはよい対応力を身に付ける上で重要ですが、加えて自分のメンタルヘルスにもプラスの影響を与えます。

私たちは日常的に相手の言葉や行動に傷つけられます。
相手を変えようとするのはとてもエネルギーが必要で、うまくいけばよいですがうまくいかない時には大きなストレッサーとなります。

相手は変えられませんが、変えられるものがあります。
それは自分の考え方や行動です。

一方的にぶつけられる暴言には軽やかなステップでうまく受け流していきましょう。

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